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CHANGES:Painted Corduroy Pants製作秘話


この秋に登場し、ご好評いただいたリメイクのコーデュロイパンツ。

再び作製していただくにあたり、デザイナーの古谷さんにお話を伺ってきました。

このアイテムが誕生した意外な理由も含めて、楽しんでいただけますと幸いです。






中島:それでは早速、今回もよろしくお願いします。

古谷:お願いします。

中島:この前のコーデュロイのペンキシリーズ、ありがたいことにすぐお客さんから反応があって完売になったんだけど、今回のはちょっと手を変えたってことで、どの辺が変わったん?

古谷:はい。ペイントの位置を少し下目にしてあります。

今回は冬に穿くってことで、コートとか着丈の長いものを着たときに見えるようなイメージで、

ちょっとだけ変えてみました。

中島:なるほど。(ペイントの)色とか量を変えたりってことはあるん?

古谷:いや、そこは手を加えずに、位置だけ微妙な変更を加えてます。

中島:上やなくて下に付けるっていうね。

古谷:そうそう。

中島:ふんふん。これって企業秘密かもしれないんですけど、特殊なペイントとかを使ってたりするの?

古谷:いや、これは本当に普通の油性ペンキ。

中島:じゃあ普通に塗る用のペンキを使ってるということ?

古谷:そうですそうです。

中島:これは流石に本人がやってるわけじゃないよね?

古谷:僕じゃないですね。

中島:そういう業者に?

古谷:はい、加工場でやってもらってますこれは。

中島:出来上がったパンツを渡して、こういう風に、こういう位置にペンキをつけてくれってお願いしてるの?

古谷:そうです。






中島:ところでコーデュロイのパンツって今あんまり穿いてる人見かけない気がするけど、

古着市場にもあまり出てないの?

古谷:いえ、そんなことないです。出てると思うんですけど…。

なんですかね、そのままだと野暮ったいんで穿いてないんじゃないですか?

だからこのパンツは大分シルエットを変えてるんですけど。

中島:そうかそうか。

これはシルエットをテーパードにして、更にペンキを飛ばしてると。

古谷:そうです。

中島:加工としては二重になってるんやね。

いや、僕もこのUsedのコーデュロイが昔から凄い好きで。Usedのは生地が乾いた感じがするというか、

この雰囲気が凄い良いと思うんよ。

このペンキのシリーズ、最初デニムでやってたけど、やっぱりコーデュロイがハマるなっていうのはあったの?

古谷:いや。デニムが一番分かり易いやろうなぁっていうのはあったんですけど、

これは売れ残りっていうとアレなんですが…。

中島:そうなん?笑

古谷:去年、一昨年くらいはめちゃくちゃ売れたんですよ、コーデュロイのパンツ、古着でそのままで。

中島:あっ、手を加えずにということ?

古谷:そうです。それが徐々に売れなくなって溜まってきて、

なんとかしようと思ってたんで、今回出させていただきました。

中島:在庫が溜まってきたから、頭をひねったんやね。笑

でも僕も平面なものじゃなくて、凹凸のある生地にペンキを飛ばすっていうのをあんまり見たことなくて。

古谷:はいはい。

中島:だからこれ最初見たときに凄く良いなって思って、大人っぽいし。

それまで苦手だったんよ、ペンキ飛んでるやつって。せやけども今回のはやっぱり良いよなぁ。

この前一人で二本買ってくれた方もいらっしゃって。

古谷:へぇ、それは嬉しいですね。笑






古谷:あとはそうですね、

このタックの入ったシルエットが凄く良いんやろうなっていうのもありました。

中島:はいはい。ワタリが太いやつ?

古谷:そうそう。それでテーパードさせたらデニムと違う見え方になるだろうと。

中島:あ~、デニムやとそこは細いのか。

そういうトラウザーズっぽいのをピックしてるの?

古谷:そうです。

違うのもありますけど、基本タックの入ったやつで作ってますね。

中島:でもこれシルエット変えてるって言っても、

もともとが違うから全体的なシルエットも当然違うよね?

古谷:そうですね。

中島:一定まではザックリいってるの?

古谷:そうです、これは裾幅で合わせてもらってます。18cmくらいで。

中島:そうやんな、結構細いもんなこれ。

古谷:なんで、そんな背景(シルエットの異なる)も楽しんでもらいたいなと。






中島:なるほどなぁ。うちの中でもこのペンキを飛ばしたシリーズって、

デニムに続いてコーデュロイもめちゃくちゃ店にハマってる感じがする。

意外とスタイリングも組みやすいし。

古谷:これは特にスラックス仕様なんで、生地はアメリカなんですけど縫製はスラックスなんで、

それがやっぱり中島さんのとこにハマってるんじゃないですか?

中島:それはそうやな、コーデュロイでも例えば『LEVI’ S』とかだと上手くいかなかったかもしれへん。

あとはやっぱり値段が良いよね、正直安いで。

古谷:それもウリやと思ってます。

絶対新品でやったら高いから。この加工でこの感じでこのプライスやったら丁度良いんちゃうかなと。

中島:お客さんからしたらいつの時代もそうやけど、安くて良かったら言うことないもん。

しかもこれだけ古着の風合いも出てるわけやし。これがまた加工じゃないこのやれた風合いが…。

古谷:リアルで良いですよね。笑

中島:うん。これが懐かしいというか気持ちいいというか。

ふと思ったんやけど、これにユッタのサンダルとかで合わせてもカッコいいよなあ。

古谷:カッコいいと思います。それこそアメリカですよ。

中島:せやんなぁ、それこそ季節感が入り混じった感じで。そういうスタイリングでもええんちゃうかな。

これに例えば革靴やったりローファーやったりスニーカー持ってくるのも良いんだけど、

ちょっと違和感のあるスタイリングというか、そういうのも良いかも。

でも本当、今回また作ってもらえてよかったわ。これからもよろしくお願いします。

古谷:はい、よろしくお願いします。






いかがだったでしょうか。

ご用意いただいた20本の中から、自分に合った1本をピックしてみてください。





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